実験ツール




ここではショウジョウバエの交配実験に役立つ道具を、紹介および提供します。少しづつ充実させていく予定です。



カウント用紙


カウント用紙(集計用紙、統計用紙)は遺伝学の実験に必須です。毎回ノートに枠線を手書きするのは手間ですし、市販の集計用紙でハエのカウントに使いやすいものはなかなか見つかりません。ここでは、ハエのカウントに便利なデザインのカウント用紙を用意しました。Table 1からダウンロードしてご活用ください(記入例)。中高生に実験させる場合は、指導者側であらかじめ分離してくる表現型を書き込んだものを、コピーして配布してもよいでしょう。市販品で入手容易なものとしてはコクヨの集計用紙があり、Table 2はその特徴をまとめたものです(いずれの製品も、雌雄の記入をどのように行うか、考える必要があります)。

Table 1. オリジナルのカウント用紙一覧
仮称 コメント
実習型 マーカー3種類、8表現型に対応。ショウジョウバエの交配実験学習帳の付録で、三点交配まで考慮した設計。
4型 マーカー2種類、4表現型に対応。シンプルな交配を繰り返し行う場合には、時系列順、あるいは交配番号順にデータを蓄積できて省スペースである。4型~16型の特徴は、記録できる表現型数が2n個(n = 可視マーカー数)で無駄がない点、罫線の色と太さに変化をつけて誤記入を防止している点である。
8型 マーカー3種類、8表現型に対応。授業でよく取り上げられる三点交配に最適で、遺伝実験を履修している場合には重宝する。
16型 マーカー4種類、16表現型に対応。多数のマーカーを用いたマッピング作業に最適。左端の糊代に次の用紙を継ぎ足していくことで、記録できる表現型数を拡張していける。
たのしい
カウント用紙
印刷版のみ。8型をA4縦書にしたような、省スペースで用途も広いデザイン。授業や卒研で、はじめてカウントを体験する学生向けに配布している試作品。裏面は交配図を描くための補助線となっている。罫線印刷には水やアルコールで滲みにくいインクを採用。カウントは単調で孤独な作業である。すこしでも心的負担を緩和するため、カラフルであかるい紙面とした。筆記性に優れた厚手の上質紙を使用し、情報カードとしてのとりあつかいにもすぐれる(カラフルな厚紙なら、うかつな学生でも紛失しにくい...はず)。♀♂も印刷済みで、表現型と数字を書くだけの、お手軽な記入式プリント。在庫がなくなる前に、改良版をつくりたい。
夢の
カウント用紙
印刷版のみ。大量のハエをカウントする人のために開発。マーカーは2種類のみに絞り、A4縦書に8交配を記録できる超々省スペースデザイン。背景色にも変化をつけることで、記録効率を高め、時短・眼疲労低減をめざした。罫線印刷には水やアルコールで滲みにくいインクを採用。筆記性に優れた薄手の上質紙を使用し、膨大なデータの厚みを少しでも抑える工夫がなされている。同じ体積なら、たのしいカウント用紙の32倍くらいの情報収納効率。♀♂も印刷済み。


Table 2. コクヨの集計用紙のうちショウジョウバエのカウントに利用できそうなもの
サイズ マス数
(ヨコ×タテ)
品番 コメント
タテ型 B5 8 × 33 シヨ-31 マーカー3種類だと、日付やculture番号を書くスペースがきびしいか。
A4 8 × 40 シヨ-21
ヨコ型 B5 10 × 23 シヨ-36 マーカー3種類まで対応。
A4 14 × 27 シヨ-26
B4 16 × 35 シヨ-16 縦線を一本引く手間を惜しまなければ、マーカー4種類まで対応。B4はかさばるか。
16 × 26 シヨ-116
ノート B5 7 × 35 ノ-4V 縦線を二本引けばマーカー3種類まで対応できそう。
A4 8 × 37 ノ-270V マーカー3種類だと、日付やculture番号を書くスペースがきびしいか。
A4 14 × 32 ノ-271V 縦線を二本引けばマーカー4種類まで対応できそうだが、日付やculture番号を書くスペースがきびしいか。マーカー数が少ないときは、いろいろと使えそうなノート。